Case Study

導入事例

画像検査と梱包を協働ロボットで自動化し、省力化と品質の安定化を両立

導入企業:神谷理研株式会社

 神谷理研株式会社では、出荷前の外観検査・梱包工程を長年人手で行ってきました。
 顧客からの品質要求は高く、製品の整列梱包や外観検査には熟練者の技術が欠かせませんでしたが、作業負担や品質のばらつきが課題となっていました。
 こうした状況を改善するため、県の支援制度を活用し、協働ロボットと画像検査装置を組み合わせた自動化システムの導入に踏み切りました。

インタビュー対応者:常務取締役 神谷 公彦 様
         :西テクノ技術課 課長 福田 俊一郎 様

Outlines

会社概要

所在地:静岡県浜松市中央区上新屋町
業種/主な事業内容:めっき・塗装及び表面処理加工業

導入工程

外観検査、整列梱包

導入機器

協働ロボット、画像検査装置、梱包装置

支援制度活用

・静岡県ロボット導入可能性調査(FS)補助金
・ものづくり補助金
・ふじのくにロボット技術アドバイザー派遣

導入効果

品質安定化、作業員負担軽減、社内ロボット人材の育成

Flow

課題の整理
・出荷前の検査・梱包工程における作業負担と品質のばらつきが課題。
・顧客から製品の整列梱包を求められ、対応策を検討。

アドバイザーの支援
・ふじのくにロボット技術アドバイザーが現場を訪問し、課題を整理。
・RFP(提案依頼書)を作成し、必要機能と条件を明確化。

実現可能性の検証
・複数のSIerに相談するも「難しい」との回答。
・FS補助金を活用し、画像検査装置の有効性を事前検証。

導入の決定
・検証結果を踏まえ、ものづくり補助金で装置を導入。
・協働ロボット+画像検査装置+梱包ユニットを組み合わせた一貫システムを構築。

Interview

Q:導入して感じた効果は?

A:検査速度は人の約3分の1ですが、品質が安定し、作業者の負担が軽くなりました。その分の空いた時間を他の業務に当たってもらうことが可能となりました。装置は誰でも簡単に操作できる設計でしたので、現場定着もしやすかったです。


Q:導入で苦労した点は?

当初は、どのような機器を導入すれば課題を解決できるのかが明確ではなく、複数のSIer企業に相談しても「実現は難しい」と断られることがありました。
しかし、県のアドバイザー派遣を活用し、現場の課題整理からRFP(提案依頼書)の作成まで支援を受けたことで、必要な仕様や条件が明確になり、最適な提案をうけられるようになりました。


Q:これから導入を考える企業へのアドバイスは?

ロボットは1台入れればすぐに1人分の作業がなくなるというものではありません。
まずは工程の一部や負担の弱い作業から初めても十分です。
最近は専門的な知識がなくても立ち上げや操作ができる扱い安いロボットも増えています。段階的に取り入れることで、現場にもスムーズに定着ができます。


<今後の展望>

現在は、特定製品の検査・梱包工程を自動化していますが、今後は他の製品や工程にもロボット導入を広げ、より多くのラインで省力化と品質の安定化を実現したいと考えています。段階的な拡大により、全社的な生産効率の向上を目指します。